がい かく 鬼 滅 の 刃。 『鬼滅の刃』登場人物(キャラクター)まとめ

鬼滅の刃の作者、ごく一部の天才しか使えない「高度な技」を使って描いていた: GOSSIP速報

がい かく 鬼 滅 の 刃

【注意】 ・捏造しかありません。 それでも良いという寛大な心の持ち主の方のみ閲覧下さい。 ____________________ ひゅううう。 ひゅううう。 風を切る音が聞こえる。 おかしい、先程まで自分は確かにベッドで眠っていた筈だ。 消灯前にはマシュと共に、ホットココアを飲んでいた記憶もある。 試しに手足をバタバタと動かしてみたものの、あるのは空気の抵抗のみ。 薄ら薄らと瞼を開けば、そこには一面の青が広がっている。 なら、自分が今どこにいるかなど明白だ。 「夢の中なんだから!!勘弁してよおおおおおおおお!!!」 ひゅうひゅう、と。 橙色は落ちていく。 壱 「むぅ、ここはどこであるか。 大江の山でないのは確かだが…酒呑、分かるか?」 「ちーっとも。 でも、旦那はんとのパスは繋がってる。 恐らくこれが旦那はんの夢なんやろねぇ。 …旦那はんと出会うまで暫くは様子見ちゃう?」 夢でも特異点に迷い込みはるなんて…。 ほんまけったいなお方やわぁ。 クスクス、と酒呑童子が笑う声が静かにその場に響く。 太陽が燦々と照らす森の道。 昼間だというのに、森はどことなく陰気で、重々しい空気を放っている。 天気と森の雰囲気があまりにも違いすぎて、今すぐにでも森から出たくなる衝動に茨木童子は駆られていた。 酒呑童子曰く、これはマスターである藤丸立香の夢らしい。 …というより、立香が夢の中でなんらかの要因で特異点に入ってしまったの方が正しいか。 若干意味合いは違うのだが、考えることに慣れない茨木童子の頭は早々に考えることを放棄していた。 もう既に一刻ほど歩いているが、未だ森の出口には出ない。 陰気な森のくせに陽ざしがうざったい、なんて思いながら、茨木童子はずんずんと森の中を宛もなく進んでいく。 酒呑童子はというと、それに続きながら己の作り出した美酒を呑んでいる。 すると、茨木童子は何かに気づいたように歩を止める。 酒呑童子もその違和感に思わず目を細めた。 「おい酒呑。 あれはなんだ。 」 「…鬼、やねぇ。 それも半端もんの。 」 草木の隙間から僅かに見える光景。 それはきっと、万が一にも考えられない光景。 鬼がいたのだ。 森の木陰にて、鬼が飢えたように唸っている。 座り込んでいるその鬼は、錯乱状態に陥っており、酒呑童子と茨木童子が特に気配を消さずとも二人に気づく様子はなかった。 「…様子見、するか?」 「…そうやねぇ。 うちとしては半端もんなんてさっさと殺しておきたいけど。 あの鬼の先はきっと短いやろうし。 …様子見しよか。 」 そう言うと、瞬く間に二人の姿はその場から消える。 すると、鬼がちょうど見える程度の高さにある大木の枝に、二人はちょこんと座っていた。 小柄な二人は、外聞から見つからないよう上手く草木に溶け込むことができている。 二人は自分達とは幾分と成り方の違う鬼を、静かに見つめる。 鬼のプライドもあるであろう、酒呑童子の目はとても冷たく、隣に座る茨木童子でさえタラタラと冷や汗をかくほどだった。 「…茨木、あんたはんはあの鬼、なんやと思う?」 「そっ、そうだな…。 ひとまず、元が人間なのは確かなのだろうな。 血の匂いもしたし、人を喰うというのは間違いないだろうが…。 」 「うんうん、せやね。 よく出来ました。 …じゃあ最後に。 なんであの鬼、あんなちーさい木陰にあんなでかい体押し込めてんねやろうねぇ?」 「…木陰から出れば何か身体に異変が起こるとか?」 「限りなくそれが、正解に近い答えなんやろうね。 」 見ててみ、と酒呑童子が鬼のいる木陰を指さす。 茨木童子は酒呑童子に問われたことを考えることで精一杯で気がつかなかったが、声を立てず沈黙に徹していれば、誰かの足音が聞こえる。 それもどんどん鬼のいる方へと近づいている、足音。 その数、約数人。 鬼も気づいたのであろう、唸りながらもその場を警戒し始めた。 すると、不特定多数な場所から数人の人間が現れる。 鬼は、囲まれたのだ。 「…っ!」 「…、…!!」 何やら会話を交わしているが、聞こえない。 風が強く、その風が声を虚へと導いていくのだ。 二人はその現場を、じっくりと見つめるしかなかった。 人間と鬼がいくつか言葉を交わしたと思われる直後、鬼は暴れ出す。 人間側は特に動じることもなく、ただ、殺すためのチャンスをうかがっていた。 それを知らぬは鬼ばかり。 無論、結果は一瞬。 鬼の頸はあっという間に一人の男に切り取られ、その体は日に照られされて塵芥となり消えていく。 男が斬る前に、何かしらの術を使用したが、それは特に注目するところではない。 二人にとって、注目するべきは、あの鬼の成り方であった。 「…日に照られて死ぬ鬼が、この世にはいるのか。 」 「頸斬って殺すあたり、今も昔も変わらんなぁ。 あー、やなもんみた。 」 「しかし、この世に鬼がいてそれを滅する者がいる。 吾らのいた時代と大差ないではないか。 」 「そうやねぇ。 あは、あのイケメンと目が合ってもーた」 酒呑童子は静かに爆弾を投下すると、そのままごくごくと美酒を呑む。 茨木童子がその言葉を理解しようとしていると、先方から何かがこちらに飛んでくる。 「っ!!?」 「ふふ、危ないわぁ」 酒呑童子と茨木童子の丁度間に刺さっていたのは刀。 なんとなくの勘で避けたはいいものの、避けていなければ間違いなくどちらかの頸に刺さっていたであろう。 茨木童子はそう考えてゾッとする。 間違いない、投げたのはあの鬼を殺した男だ。 そう思い、ギンとした目で男の方を見れば、案の定、男は嫌悪するような目でこちらを見ている。 「おい、酒呑!あの男、今吾らに向かいて刀を投げ飛ばしたぞ!」 「せやねぇ。 うふふ、やっぱり気配遮断、ちゃんとすべきやなぁ。 」 「そういう話ではなく!!!」 冗談を酒呑童子がかませば、茨木童子はそれに全力でツッコミを入れる。 二人の座る大木は、とても高い。 森の中でも一等高い木だろう。 人が登るのは無茶なので、こちらには来ないとは分かっているが、それでもやはり少々恐ろしい。 こんな高いところまで刀を投げるとかどんな腕力なんだ、と茨木童子はあの男に小一時間ほど問いたい。 男を混じえた数人は、そのままその場からは消えるように去っていく。 最後に自分達を憎々しく睨みつけて。 「あの鬼切りめ…!今度会ったらただじゃすまさんぞ!」 「うふふ、ふふ。 …随分とまぁ、鬼にとって生きづらい世の中なんやねぇ。 」 周りを確認し、人間達が完全に去ったことを確認すると、二人は木から降りる。 風がさざめいて、葉が不気味に揺れる。 「まぁ、でも…。 半端もんの鬼は見つけ次第、殺さななぁ。 」 一瞬、自身のマスターの顔が思い浮かんだものの、それは瞬く間に消えた。 弐 「ほんっっとうにありがとう!」 「い、いえいえ主殿。 頭を上げて下さい。 僕は貴方の忍びとして当然のことをしたまでです。 」 「でも私、小太郎がいなきゃ間違いなく死んでたよ〜!ほんとにありがとう!」 赤髪の青年に橙色の少女はペコペコと頭を下げる。 橙色の少女の名は藤丸立香。 桃色と白の袴に、赤い傘。 大正浪漫を思わせる格好をした少女だ。 そんな彼女にお礼を言われていた、赤髪の青年の名は風魔小太郎。 立香に忠誠を誓う、かの有名な風磨家の忍びである。 「空から落ちるのって、ほんと何回経験してもなれないんだよね…」 「普段は経験しないことですしね。 …というか、経験する方が珍しいかと…。 」 そう、先程まで立香は空の真っ只中にいた。 大方いつも通りかもしれないが、あの浮遊感はいまだに慣れないと本人は語る。 「それに、これマスター礼装でもないし…」 立香の着用している桃色の袴。 これは確か概念礼装用のもののはずで、マスター礼装にはなかったはずだ。 立香はマスター礼装の補助なしには魔術が使えない。 カルデアに来る前はどこにでもいる平凡な一般人だったので、仕方がないことではあるが、マスター礼装でなければサーヴァントの補助も行えないのだ。 せめてカルデアの制服だったらなぁ、と立香は一人愚痴る。 立香が夢で特異点に巻き込まれれば、大抵なんらかの戦いに巻き込まれる。 となれば、必然的に今そばにいる小太郎を合わせたサーヴァントの力を借りることになる。 それを無力感を感じながら、黙ってみることは彼女にとって歯がゆいことだった。 幸いなことに令呪はあるものの、それでも彼女の心は晴れやかにはならない。 「しかし主殿。 その装束からは微弱ながらに魔力を感じます。 」 「え、じゃあ何かのマスタースキルが使えるのかなぁ。 」 私は何も感じないけど、と立香は付け足す。 マスタースキルを使おうとしてみるものの、特に何も変化はない。 「うーん?どうゆうことなんだろ…」 「ひとまず、先に集落に出てみましょう。 何か分かるかも知れませんし、他のサーヴァントの情報も手に入るかもしれません。 」 「…うん、そうだね。 まずは情報収集からやろっか。 …まぁ、ここがどこかも分からないけど。 」 立香は周りを見渡す。 周りは緑で埋め尽くされていて、ところどころに藤が垂れている。 天気は良いものの、周りの空気はなんだか重苦しい。 そんな森の中に、立香たちはいた。 「花とか全くないのに、藤だけあるなんて…不思議だね。 」 「…ええ、本当に。 この森は妙な気配もします。 早急に出ることが身のためかと。 」 「そうだよね、ごめん、待たせちゃって。 行こっか!どこに行けばいいか分かんないけど!」 「はい、それは僕にお任せ下さい。 必ずしも主殿を、安全な場所へ連れて参りましょう。 」 袴で動きずらい立香に小太郎が手を取り、歩き始める。 小太郎が言うには、水の音が聞こえるのですぐに集落には出られるとのことで、決して早足ではないが、二人はできるだけ早く森から出ようと心がける。 というのも、既に今は夕陽が照っており、夜が近いからだ。 小太郎だけならまだしも、立香を野宿させるわけにもいかない。 何の情報もないのに、その決断をするには些か早すぎるのだ。 「小太郎はいつからこっちにいたの?」 「僕も主殿とそう変わりませんよ。 僕も空から落ちまして、丁度着地したところに主殿の声が聞こえてきたのです。 」 「…その節は本当にありがとう。 」 「いえいえ、滅相もございません。 」 小太郎に手を引かれながら立香は静かな森の中を歩く。 立香は編み上げられた茶色のブーツを履いているので、少々歩きなれない。 袴の状態でもあるし、この状態で走れ、など言われればまず不可能だなと一人遠い目をする。 暫し歩けば、水の流れる音がしてくる。 遠目からだが、それが川だと理解するのに時間はかからなかった。 「川、あったね!」 「はい。 主殿も歩きなれないお召し物で疲れたでしょう。 木陰のようですし、暫し休憩しましょう。 」 「わーい!さっすが小太郎!」 河口まで行けば、間違いなくどこかの集落には出るだろう。 小太郎曰く、集落も近いようなのでしばらくの休憩もできるとのこと。 立香はその言葉につい舞い上がってしまう。 慣れない靴で歩くのは本当に辛いのだ。 川のもとへ歩を進める途中、小太郎が不意にピタリと止まる。 不意打ちのため、思わず小太郎にぶつかってしまった立香は、小太郎に声をかけようとする。 その時、だった。 「…っ、来る!」 「こ、小太郎?」 「主殿、僕におつかまりください!必ず、必ず手を離さぬよう!」 「へ、ちょ!?」 突然小太郎に横抱きにされたかと思えば、小太郎は一目散にその場からは走り出した。 それも河口とは真反対の方へ。 どうして、と小太郎に声をかけようとするが、そんなこと言える雰囲気でもなく、立香は小太郎に言われた通りしっかりと彼を掴むことしか出来ない。 さすがは忍者とも言えるのか、森の中なのにも関わらず、ほとんど音を立てずに小太郎は走る。 それほど、まずい状況だったのだ。 どうしてここに『鬼』が…! 微かに臭った血の匂い。 錆び付いたその匂いは人でなしの自分にしか分からないであろう匂い。 遠く離れてはいるだろうが、鬼である以上身体能力は計り知れない。 あのまま川の方へ歩けば間違いなく鉢合わせる。 主である立香をそれに巻き込む訳には行かない。 故に、小太郎はその場からは立香を抱き、走り去ったのだ。 いる、いる。 数人か…?しかし、この音は…『鬼』と『鬼』を追いかけている音? 立香を抱き、森の中を駆けながらも小太郎は黙々と考える。 音は遠くには離れず、一定を保っている。 このまま走ってもいいが、それでは拉致があかないだろう。 小太郎の体力が尽きれば、それは即ち立香の危機だ。 小太郎は急遽、身を隠すことにした。 身を翻し、二人分の体重がかかっても折れないであろう木の枝へ跳ぶ。 葉が多く、藤が茂る木だ。 木に跳び、少しの間息をつく。 「小太郎、どうかしたの…?」 「主殿。 落ち着いて聞いて下さい。 今からここには『鬼』が来ます。 」 「お、鬼…!?それって、酒呑ちゃんみたいな…?」 「分かりません。 しかし、『鬼』であることは確かでしょう。 …暫しの間、ここで待機します。 ご無礼をお許し下さい。 」 「う、うん。 分かった…!」 何かを察したのであろう、立香は小声で応を返す。 その声には緊張が孕んでいて、辺りを警戒するように身を縮こませる。 そして、立香は小太郎と同じように耳を研ぎ澄ませた。 ドダ、ドダダダダ、 小太郎にしか聞こえなかったはずの音は、いつの間にか立香に聞こえるほど大きくなっていた。 足音はもちろん、何かを叫ぶ人の声。 それが小太郎の言う『鬼』かどうかは分からない。 しかし、もしもを思い、二人は臨時体制をとる。 …来る! 突如姿を見せたのは、鋭い牙に獰猛な体格を持ち合わせ、額からは角の生えた鬼。 口からは涎が垂れ、はぁはぁと息を継いでいる。 日が暮れそうな中、その『鬼』は急いで木の影に入る。 立香達がいる木の影に。 「ぎゃあぁあァァぁあ!!!なんでこんなどころに藤がぁあ!!?」 鬼の動きが止まり、鬼はその場で錯乱状態に陥る。 醜い雄叫びに、立香は思わず目を閉じる。 小太郎はそんな立香の見ながら、自分の不甲斐なさに心の中で舌打ちをする。 ここで戦われるのはまずい…! かと言って、加勢するわけにもいかない。 ここにはまだ来ていないが、直にもう数人の人間が来るはずだ。 その人間達に任せるしかないと、小太郎は頭で即座に答えを出す。 「主殿、もう少しの辛抱です。 …お耐えください。 」 「う、うん。 大丈夫だよ、心配しないで。 」 小声で交わされる会話。 鬼がそれに気がつくはずもなく、いまだに木の影にて転げ回っている。 「ぎぃ、ぎゃぁあァァあァアア!!?」 断末魔が走ったかと思えば、次に走るのは鮮血だった。 爆薬の破裂する音が聞こえる。 爆薬が爆発した衝撃か、木がゆらゆらと揺れる。 体制が不安定になったものの、なんとか持ちこたえる。 小太郎は急いで立香の目元に自身の手を当てる。 十代の女子が見るべきものではないと判断したのだ。 鮮血は小太郎の服の裾にまで飛び、その下はとても無惨な場と化している。 血の海に、ぷかりと浮かぶ鬼の頸。 恨みの孕んだその顔は塵芥と化し、さらさらと風に流され消えていく。 身体は爆薬によって消し飛ばされたのか、既に存在していなかった。 そして、残った血の海に立つ、一人の男。 あの男、いつの間に…!チッ、爆薬で上手く見えなかったか。 「ぎゃはははは!地味に死にやがったぜェ!!まぁこの宇髄様を馬鹿にしたんだァ、当然の仕打ちだな!!!」 男は一頻り笑うと、二刀の刀を腰へと帯刀する。 その直後に、黒装束を着た者たちが、血の後処理をしていく。 まずい、このまま処理を為されれば間違いなく気づかれる。 …しかし、どうする?このまま下に降りて情報を貰うのも一手だ。 主殿にご決断を… 「…っ、小太郎、もう大丈夫?」 小さいささかな声。 密着していなければ聞こえないくらいの声。 しかし、どうやらあの男には聞こえたらしい。 男は仲間であろう他の人間と話していたのにも関わらず、首をぐるんと回転させ、木の上を凝視している。 小太郎はハッとする。 自身ばかりが情報を省みて、立香には一切の情報を渡していないのだ。 視界はいまだ自身の手で閉ざされたままであり、周りの様子が気になるのも仕方がないことだ。 姿こそ気づかれてはいないものの、気づかれるのは最早時間の問題だった。 …下に降りるしかない、か。 決断をすれば後は早い。 小太郎は立香を抱える体制を整える。 今から彼のすることを察したのであろう立香も、彼の服に掴む力を強くした。 互いに目を合わせ、下へ飛び立つ。 男達よりも数メートル離れた場所に音もなく着地すれば、男がこちらを向く。 男以外はこちらを向かないあたり、やはり余程男の勘が良いのだろう。 それとも、 「おい、お前等は何もんだ。 」 参 「あらあらまぁまぁ。 ここはどこでしょう。 」 あちらを見ても。 こちらを見ても。 周りは藤の花ばかり。 匂いにむせ返りそうになる程、藤の花が狂い咲く中、美しい女が一人優雅に歩いていた。 女の名は源頼光。 かの有名な『頼光四天王』の頂点に君臨する女である。 その逸話の数は数しれず。 有名なものといえば、酒呑童子の頸を斬り飛ばしたことであろうか。 「突然喚ばれて何かと思えば…。 こんな幻想的な場所、可愛い我が子達と見たいものです。 」 頼光は一人呟きながら、藤の道を行く。 私はカルデアのサーヴァント。 喚ばれる道理などない筈ですが…。 まさかこれが我が子の夢、なのかしら。 彼女のマスター、藤丸立香は時たま夢の中で特異点へ迷い込む。 それは一度、二度と繰り返されてきた。 今回もそうなのだろうと頼光は推定する。 だとすれば、なんということなのだろうか。 愛する彼女の元に頼光は居らず、こんな身に覚えのない場所に喚ばれている。 それがたまらなく憎々しいのか、彼女の足取りは少し荒い。 終わりなき紫の道を辿っていると、頼光はふとした違和感に気づく。 道端に落ちている藤の花に、大きな足跡がついているのだ。 それも、獣などの動物ではない、明らかに人間の。 これはまた…。 随分な世界に迷い込んでしまったようですね。 その足跡から、密かに嫌悪感を頼光は感じた。 これは、自分がよく知る蟲と同じ匂い。 自身が自我を失った際に香る香り。 …『鬼』の足跡かしら。 少し見つめると、やがて興味を失ったように、その足跡があった藤の花の山を潰す。 すると、先ほどと同じようさっさと前へと進んでいく。 『鬼』が存在する世界に迷い込むなんて…なんということでしょう。 今頃、我が子は怖がっているに違いありません。 待っていてくださいね、愛しい子。 母はすぐに参りますから。 恐ろしいことに彼女は一人だ。 彼女の言動や考えに普段ならツッこむであろうゴールデンな彼は居らず、彼女は一人考えに暮れる。 先程藤の花を踏み潰した彼女の前に、次に現れたのは、今度は堂々と土にめり込んでいる鬼の足跡だった。 それは奥まで続いており、奥の方は藤の花のせいで上手く目視できない。 頼光は目を細めると、別の道を行こうとする。 しかし、この道は一本道であり仕方なく奥へ進んでいく。 奥に進んでいく事に感じるのは、藤の花の香りではなく強い錆の匂いだった。 頼光は刀に手をかけ進む。 陽の光さえ通さぬ藤の花にこの時ばかりは嫌気がさす。 おかげさまで、奥まで見えず、思うように偵察ができない。 「…うざったいですね。 」 自分がどこにいるか分からない以上、なんらかの情報は掴んでおきたい。 それを聞き出すのがたとえ鬼だとしても。 そんなことを思う頼光の後ろで、藤の花がゆらりと揺れる。 「っむん!!」 一閃。 刀は光をまとい、藤の花を切り落とす。 鬼がいたかと思い、藤の花を切り落とした頼光だったが、そこにいたのは鬼ではなかった。 「うわわ、びっくりした〜!」 まるで桜餅のような髪色をした少女が、尻もちをつきながら、驚いた表情で頼光を見つめていた。 肆 炎を纏った矢が、空を駆けていく。 その矢は、まさに鬼と形容することができる化け物に必中する。 苦しみもがく鬼の後ろからは長い刀が現れ、その刀は鬼の頸を斬ると、一瞬のうちに消えていった。 「ありがとうございます、紅閻魔先生。 」 「良いのでちよ、巴。 …それにしても、どうしてここ一帯はこんなにもなまくらの鬼がいるでちか。 」 巴御前と紅閻魔は、夜更けの中、自分達へと襲いかかる怪異へ制裁を行っていた。 「…マスターの夢、でしょうか。 私は先程までげぇむを行っていたはずなのですが…。 」 「巴。 また消灯時間が過ぎてもげぇむをしていたでちね?」 「あ、いえっ…、そういうわけでは…!」 「言い訳は無用でち。 」 ねちねちと説教を始める紅閻魔に、巴は正座をして話を聞く。 聞きたくないことが本音だが、それを紅閻魔の前で言えば、自分のこれからの末路がわかりきってしまう。 それだけは嫌だった。 説教が終わる頃には、既に朝日はのぼりかけで、森の中に光が差す。 「おや、いつの間にか日が。 マスターを探さなければならないでちね。 」 「そ、そうですね。 …し、しかし紅閻魔先生、巴は足が…。 」 まるで生まれたての小鹿のように足をプルプルと震わす巴に、紅閻魔は思わずため息が出そうになる。 「なんと素晴らしい力だ。 」 突如聞こえた第三者の声に二人は警戒を見せる。 見れば、森の木陰にて真っ黒な人型の影が浮かび上がっている。 それはどんどん人に姿を変え、やがて一人の鬼となる。 「…誰でしょうか。 即刻答えて下さい。 」 「…鬼なのに私を知らない…?ほう. 」 巴の言葉に、一人の鬼は眉を動かす。 紅閻魔は用心深く鬼を見る。 先程の鬼とは比べ物にならないほどの力を持つであろう鬼をじっと見つめる。 紅閻魔からすれば、この目の前にいる鬼も元が人間の半端な鬼と変わりはないのだが、それでもこの男は底が見えず、怪しい。 巴がいうところの、ラスボスってやつでちょうかね。 紅閻魔の視線にも気がついたのであろう、その鬼は笑みを浮かべる。 鬼の口は、ゆっくりと広がる。 「私の名は鬼舞辻無惨。 貴様ら、私の配下…十二鬼月と成らないか?」 「「結構です でち 」」 巴と紅閻魔はNOが言える日本人である。 伍 「うふ、うふふふふ。 …そう、教祖様…万世極楽教の教祖様。 …あぁ、ああ。 なんて堕としがいがあるのかしら…。 私、昂ってしまいますぅ…。 」 続かない。

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『鬼滅の刃』登場人物(キャラクター)まとめ

がい かく 鬼 滅 の 刃

【注意】 ・捏造しかありません。 それでも良いという寛大な心の持ち主の方のみ閲覧下さい。 ____________________ ひゅううう。 ひゅううう。 風を切る音が聞こえる。 おかしい、先程まで自分は確かにベッドで眠っていた筈だ。 消灯前にはマシュと共に、ホットココアを飲んでいた記憶もある。 試しに手足をバタバタと動かしてみたものの、あるのは空気の抵抗のみ。 薄ら薄らと瞼を開けば、そこには一面の青が広がっている。 なら、自分が今どこにいるかなど明白だ。 「夢の中なんだから!!勘弁してよおおおおおおおお!!!」 ひゅうひゅう、と。 橙色は落ちていく。 壱 「むぅ、ここはどこであるか。 大江の山でないのは確かだが…酒呑、分かるか?」 「ちーっとも。 でも、旦那はんとのパスは繋がってる。 恐らくこれが旦那はんの夢なんやろねぇ。 …旦那はんと出会うまで暫くは様子見ちゃう?」 夢でも特異点に迷い込みはるなんて…。 ほんまけったいなお方やわぁ。 クスクス、と酒呑童子が笑う声が静かにその場に響く。 太陽が燦々と照らす森の道。 昼間だというのに、森はどことなく陰気で、重々しい空気を放っている。 天気と森の雰囲気があまりにも違いすぎて、今すぐにでも森から出たくなる衝動に茨木童子は駆られていた。 酒呑童子曰く、これはマスターである藤丸立香の夢らしい。 …というより、立香が夢の中でなんらかの要因で特異点に入ってしまったの方が正しいか。 若干意味合いは違うのだが、考えることに慣れない茨木童子の頭は早々に考えることを放棄していた。 もう既に一刻ほど歩いているが、未だ森の出口には出ない。 陰気な森のくせに陽ざしがうざったい、なんて思いながら、茨木童子はずんずんと森の中を宛もなく進んでいく。 酒呑童子はというと、それに続きながら己の作り出した美酒を呑んでいる。 すると、茨木童子は何かに気づいたように歩を止める。 酒呑童子もその違和感に思わず目を細めた。 「おい酒呑。 あれはなんだ。 」 「…鬼、やねぇ。 それも半端もんの。 」 草木の隙間から僅かに見える光景。 それはきっと、万が一にも考えられない光景。 鬼がいたのだ。 森の木陰にて、鬼が飢えたように唸っている。 座り込んでいるその鬼は、錯乱状態に陥っており、酒呑童子と茨木童子が特に気配を消さずとも二人に気づく様子はなかった。 「…様子見、するか?」 「…そうやねぇ。 うちとしては半端もんなんてさっさと殺しておきたいけど。 あの鬼の先はきっと短いやろうし。 …様子見しよか。 」 そう言うと、瞬く間に二人の姿はその場から消える。 すると、鬼がちょうど見える程度の高さにある大木の枝に、二人はちょこんと座っていた。 小柄な二人は、外聞から見つからないよう上手く草木に溶け込むことができている。 二人は自分達とは幾分と成り方の違う鬼を、静かに見つめる。 鬼のプライドもあるであろう、酒呑童子の目はとても冷たく、隣に座る茨木童子でさえタラタラと冷や汗をかくほどだった。 「…茨木、あんたはんはあの鬼、なんやと思う?」 「そっ、そうだな…。 ひとまず、元が人間なのは確かなのだろうな。 血の匂いもしたし、人を喰うというのは間違いないだろうが…。 」 「うんうん、せやね。 よく出来ました。 …じゃあ最後に。 なんであの鬼、あんなちーさい木陰にあんなでかい体押し込めてんねやろうねぇ?」 「…木陰から出れば何か身体に異変が起こるとか?」 「限りなくそれが、正解に近い答えなんやろうね。 」 見ててみ、と酒呑童子が鬼のいる木陰を指さす。 茨木童子は酒呑童子に問われたことを考えることで精一杯で気がつかなかったが、声を立てず沈黙に徹していれば、誰かの足音が聞こえる。 それもどんどん鬼のいる方へと近づいている、足音。 その数、約数人。 鬼も気づいたのであろう、唸りながらもその場を警戒し始めた。 すると、不特定多数な場所から数人の人間が現れる。 鬼は、囲まれたのだ。 「…っ!」 「…、…!!」 何やら会話を交わしているが、聞こえない。 風が強く、その風が声を虚へと導いていくのだ。 二人はその現場を、じっくりと見つめるしかなかった。 人間と鬼がいくつか言葉を交わしたと思われる直後、鬼は暴れ出す。 人間側は特に動じることもなく、ただ、殺すためのチャンスをうかがっていた。 それを知らぬは鬼ばかり。 無論、結果は一瞬。 鬼の頸はあっという間に一人の男に切り取られ、その体は日に照られされて塵芥となり消えていく。 男が斬る前に、何かしらの術を使用したが、それは特に注目するところではない。 二人にとって、注目するべきは、あの鬼の成り方であった。 「…日に照られて死ぬ鬼が、この世にはいるのか。 」 「頸斬って殺すあたり、今も昔も変わらんなぁ。 あー、やなもんみた。 」 「しかし、この世に鬼がいてそれを滅する者がいる。 吾らのいた時代と大差ないではないか。 」 「そうやねぇ。 あは、あのイケメンと目が合ってもーた」 酒呑童子は静かに爆弾を投下すると、そのままごくごくと美酒を呑む。 茨木童子がその言葉を理解しようとしていると、先方から何かがこちらに飛んでくる。 「っ!!?」 「ふふ、危ないわぁ」 酒呑童子と茨木童子の丁度間に刺さっていたのは刀。 なんとなくの勘で避けたはいいものの、避けていなければ間違いなくどちらかの頸に刺さっていたであろう。 茨木童子はそう考えてゾッとする。 間違いない、投げたのはあの鬼を殺した男だ。 そう思い、ギンとした目で男の方を見れば、案の定、男は嫌悪するような目でこちらを見ている。 「おい、酒呑!あの男、今吾らに向かいて刀を投げ飛ばしたぞ!」 「せやねぇ。 うふふ、やっぱり気配遮断、ちゃんとすべきやなぁ。 」 「そういう話ではなく!!!」 冗談を酒呑童子がかませば、茨木童子はそれに全力でツッコミを入れる。 二人の座る大木は、とても高い。 森の中でも一等高い木だろう。 人が登るのは無茶なので、こちらには来ないとは分かっているが、それでもやはり少々恐ろしい。 こんな高いところまで刀を投げるとかどんな腕力なんだ、と茨木童子はあの男に小一時間ほど問いたい。 男を混じえた数人は、そのままその場からは消えるように去っていく。 最後に自分達を憎々しく睨みつけて。 「あの鬼切りめ…!今度会ったらただじゃすまさんぞ!」 「うふふ、ふふ。 …随分とまぁ、鬼にとって生きづらい世の中なんやねぇ。 」 周りを確認し、人間達が完全に去ったことを確認すると、二人は木から降りる。 風がさざめいて、葉が不気味に揺れる。 「まぁ、でも…。 半端もんの鬼は見つけ次第、殺さななぁ。 」 一瞬、自身のマスターの顔が思い浮かんだものの、それは瞬く間に消えた。 弐 「ほんっっとうにありがとう!」 「い、いえいえ主殿。 頭を上げて下さい。 僕は貴方の忍びとして当然のことをしたまでです。 」 「でも私、小太郎がいなきゃ間違いなく死んでたよ〜!ほんとにありがとう!」 赤髪の青年に橙色の少女はペコペコと頭を下げる。 橙色の少女の名は藤丸立香。 桃色と白の袴に、赤い傘。 大正浪漫を思わせる格好をした少女だ。 そんな彼女にお礼を言われていた、赤髪の青年の名は風魔小太郎。 立香に忠誠を誓う、かの有名な風磨家の忍びである。 「空から落ちるのって、ほんと何回経験してもなれないんだよね…」 「普段は経験しないことですしね。 …というか、経験する方が珍しいかと…。 」 そう、先程まで立香は空の真っ只中にいた。 大方いつも通りかもしれないが、あの浮遊感はいまだに慣れないと本人は語る。 「それに、これマスター礼装でもないし…」 立香の着用している桃色の袴。 これは確か概念礼装用のもののはずで、マスター礼装にはなかったはずだ。 立香はマスター礼装の補助なしには魔術が使えない。 カルデアに来る前はどこにでもいる平凡な一般人だったので、仕方がないことではあるが、マスター礼装でなければサーヴァントの補助も行えないのだ。 せめてカルデアの制服だったらなぁ、と立香は一人愚痴る。 立香が夢で特異点に巻き込まれれば、大抵なんらかの戦いに巻き込まれる。 となれば、必然的に今そばにいる小太郎を合わせたサーヴァントの力を借りることになる。 それを無力感を感じながら、黙ってみることは彼女にとって歯がゆいことだった。 幸いなことに令呪はあるものの、それでも彼女の心は晴れやかにはならない。 「しかし主殿。 その装束からは微弱ながらに魔力を感じます。 」 「え、じゃあ何かのマスタースキルが使えるのかなぁ。 」 私は何も感じないけど、と立香は付け足す。 マスタースキルを使おうとしてみるものの、特に何も変化はない。 「うーん?どうゆうことなんだろ…」 「ひとまず、先に集落に出てみましょう。 何か分かるかも知れませんし、他のサーヴァントの情報も手に入るかもしれません。 」 「…うん、そうだね。 まずは情報収集からやろっか。 …まぁ、ここがどこかも分からないけど。 」 立香は周りを見渡す。 周りは緑で埋め尽くされていて、ところどころに藤が垂れている。 天気は良いものの、周りの空気はなんだか重苦しい。 そんな森の中に、立香たちはいた。 「花とか全くないのに、藤だけあるなんて…不思議だね。 」 「…ええ、本当に。 この森は妙な気配もします。 早急に出ることが身のためかと。 」 「そうだよね、ごめん、待たせちゃって。 行こっか!どこに行けばいいか分かんないけど!」 「はい、それは僕にお任せ下さい。 必ずしも主殿を、安全な場所へ連れて参りましょう。 」 袴で動きずらい立香に小太郎が手を取り、歩き始める。 小太郎が言うには、水の音が聞こえるのですぐに集落には出られるとのことで、決して早足ではないが、二人はできるだけ早く森から出ようと心がける。 というのも、既に今は夕陽が照っており、夜が近いからだ。 小太郎だけならまだしも、立香を野宿させるわけにもいかない。 何の情報もないのに、その決断をするには些か早すぎるのだ。 「小太郎はいつからこっちにいたの?」 「僕も主殿とそう変わりませんよ。 僕も空から落ちまして、丁度着地したところに主殿の声が聞こえてきたのです。 」 「…その節は本当にありがとう。 」 「いえいえ、滅相もございません。 」 小太郎に手を引かれながら立香は静かな森の中を歩く。 立香は編み上げられた茶色のブーツを履いているので、少々歩きなれない。 袴の状態でもあるし、この状態で走れ、など言われればまず不可能だなと一人遠い目をする。 暫し歩けば、水の流れる音がしてくる。 遠目からだが、それが川だと理解するのに時間はかからなかった。 「川、あったね!」 「はい。 主殿も歩きなれないお召し物で疲れたでしょう。 木陰のようですし、暫し休憩しましょう。 」 「わーい!さっすが小太郎!」 河口まで行けば、間違いなくどこかの集落には出るだろう。 小太郎曰く、集落も近いようなのでしばらくの休憩もできるとのこと。 立香はその言葉につい舞い上がってしまう。 慣れない靴で歩くのは本当に辛いのだ。 川のもとへ歩を進める途中、小太郎が不意にピタリと止まる。 不意打ちのため、思わず小太郎にぶつかってしまった立香は、小太郎に声をかけようとする。 その時、だった。 「…っ、来る!」 「こ、小太郎?」 「主殿、僕におつかまりください!必ず、必ず手を離さぬよう!」 「へ、ちょ!?」 突然小太郎に横抱きにされたかと思えば、小太郎は一目散にその場からは走り出した。 それも河口とは真反対の方へ。 どうして、と小太郎に声をかけようとするが、そんなこと言える雰囲気でもなく、立香は小太郎に言われた通りしっかりと彼を掴むことしか出来ない。 さすがは忍者とも言えるのか、森の中なのにも関わらず、ほとんど音を立てずに小太郎は走る。 それほど、まずい状況だったのだ。 どうしてここに『鬼』が…! 微かに臭った血の匂い。 錆び付いたその匂いは人でなしの自分にしか分からないであろう匂い。 遠く離れてはいるだろうが、鬼である以上身体能力は計り知れない。 あのまま川の方へ歩けば間違いなく鉢合わせる。 主である立香をそれに巻き込む訳には行かない。 故に、小太郎はその場からは立香を抱き、走り去ったのだ。 いる、いる。 数人か…?しかし、この音は…『鬼』と『鬼』を追いかけている音? 立香を抱き、森の中を駆けながらも小太郎は黙々と考える。 音は遠くには離れず、一定を保っている。 このまま走ってもいいが、それでは拉致があかないだろう。 小太郎の体力が尽きれば、それは即ち立香の危機だ。 小太郎は急遽、身を隠すことにした。 身を翻し、二人分の体重がかかっても折れないであろう木の枝へ跳ぶ。 葉が多く、藤が茂る木だ。 木に跳び、少しの間息をつく。 「小太郎、どうかしたの…?」 「主殿。 落ち着いて聞いて下さい。 今からここには『鬼』が来ます。 」 「お、鬼…!?それって、酒呑ちゃんみたいな…?」 「分かりません。 しかし、『鬼』であることは確かでしょう。 …暫しの間、ここで待機します。 ご無礼をお許し下さい。 」 「う、うん。 分かった…!」 何かを察したのであろう、立香は小声で応を返す。 その声には緊張が孕んでいて、辺りを警戒するように身を縮こませる。 そして、立香は小太郎と同じように耳を研ぎ澄ませた。 ドダ、ドダダダダ、 小太郎にしか聞こえなかったはずの音は、いつの間にか立香に聞こえるほど大きくなっていた。 足音はもちろん、何かを叫ぶ人の声。 それが小太郎の言う『鬼』かどうかは分からない。 しかし、もしもを思い、二人は臨時体制をとる。 …来る! 突如姿を見せたのは、鋭い牙に獰猛な体格を持ち合わせ、額からは角の生えた鬼。 口からは涎が垂れ、はぁはぁと息を継いでいる。 日が暮れそうな中、その『鬼』は急いで木の影に入る。 立香達がいる木の影に。 「ぎゃあぁあァァぁあ!!!なんでこんなどころに藤がぁあ!!?」 鬼の動きが止まり、鬼はその場で錯乱状態に陥る。 醜い雄叫びに、立香は思わず目を閉じる。 小太郎はそんな立香の見ながら、自分の不甲斐なさに心の中で舌打ちをする。 ここで戦われるのはまずい…! かと言って、加勢するわけにもいかない。 ここにはまだ来ていないが、直にもう数人の人間が来るはずだ。 その人間達に任せるしかないと、小太郎は頭で即座に答えを出す。 「主殿、もう少しの辛抱です。 …お耐えください。 」 「う、うん。 大丈夫だよ、心配しないで。 」 小声で交わされる会話。 鬼がそれに気がつくはずもなく、いまだに木の影にて転げ回っている。 「ぎぃ、ぎゃぁあァァあァアア!!?」 断末魔が走ったかと思えば、次に走るのは鮮血だった。 爆薬の破裂する音が聞こえる。 爆薬が爆発した衝撃か、木がゆらゆらと揺れる。 体制が不安定になったものの、なんとか持ちこたえる。 小太郎は急いで立香の目元に自身の手を当てる。 十代の女子が見るべきものではないと判断したのだ。 鮮血は小太郎の服の裾にまで飛び、その下はとても無惨な場と化している。 血の海に、ぷかりと浮かぶ鬼の頸。 恨みの孕んだその顔は塵芥と化し、さらさらと風に流され消えていく。 身体は爆薬によって消し飛ばされたのか、既に存在していなかった。 そして、残った血の海に立つ、一人の男。 あの男、いつの間に…!チッ、爆薬で上手く見えなかったか。 「ぎゃはははは!地味に死にやがったぜェ!!まぁこの宇髄様を馬鹿にしたんだァ、当然の仕打ちだな!!!」 男は一頻り笑うと、二刀の刀を腰へと帯刀する。 その直後に、黒装束を着た者たちが、血の後処理をしていく。 まずい、このまま処理を為されれば間違いなく気づかれる。 …しかし、どうする?このまま下に降りて情報を貰うのも一手だ。 主殿にご決断を… 「…っ、小太郎、もう大丈夫?」 小さいささかな声。 密着していなければ聞こえないくらいの声。 しかし、どうやらあの男には聞こえたらしい。 男は仲間であろう他の人間と話していたのにも関わらず、首をぐるんと回転させ、木の上を凝視している。 小太郎はハッとする。 自身ばかりが情報を省みて、立香には一切の情報を渡していないのだ。 視界はいまだ自身の手で閉ざされたままであり、周りの様子が気になるのも仕方がないことだ。 姿こそ気づかれてはいないものの、気づかれるのは最早時間の問題だった。 …下に降りるしかない、か。 決断をすれば後は早い。 小太郎は立香を抱える体制を整える。 今から彼のすることを察したのであろう立香も、彼の服に掴む力を強くした。 互いに目を合わせ、下へ飛び立つ。 男達よりも数メートル離れた場所に音もなく着地すれば、男がこちらを向く。 男以外はこちらを向かないあたり、やはり余程男の勘が良いのだろう。 それとも、 「おい、お前等は何もんだ。 」 参 「あらあらまぁまぁ。 ここはどこでしょう。 」 あちらを見ても。 こちらを見ても。 周りは藤の花ばかり。 匂いにむせ返りそうになる程、藤の花が狂い咲く中、美しい女が一人優雅に歩いていた。 女の名は源頼光。 かの有名な『頼光四天王』の頂点に君臨する女である。 その逸話の数は数しれず。 有名なものといえば、酒呑童子の頸を斬り飛ばしたことであろうか。 「突然喚ばれて何かと思えば…。 こんな幻想的な場所、可愛い我が子達と見たいものです。 」 頼光は一人呟きながら、藤の道を行く。 私はカルデアのサーヴァント。 喚ばれる道理などない筈ですが…。 まさかこれが我が子の夢、なのかしら。 彼女のマスター、藤丸立香は時たま夢の中で特異点へ迷い込む。 それは一度、二度と繰り返されてきた。 今回もそうなのだろうと頼光は推定する。 だとすれば、なんということなのだろうか。 愛する彼女の元に頼光は居らず、こんな身に覚えのない場所に喚ばれている。 それがたまらなく憎々しいのか、彼女の足取りは少し荒い。 終わりなき紫の道を辿っていると、頼光はふとした違和感に気づく。 道端に落ちている藤の花に、大きな足跡がついているのだ。 それも、獣などの動物ではない、明らかに人間の。 これはまた…。 随分な世界に迷い込んでしまったようですね。 その足跡から、密かに嫌悪感を頼光は感じた。 これは、自分がよく知る蟲と同じ匂い。 自身が自我を失った際に香る香り。 …『鬼』の足跡かしら。 少し見つめると、やがて興味を失ったように、その足跡があった藤の花の山を潰す。 すると、先ほどと同じようさっさと前へと進んでいく。 『鬼』が存在する世界に迷い込むなんて…なんということでしょう。 今頃、我が子は怖がっているに違いありません。 待っていてくださいね、愛しい子。 母はすぐに参りますから。 恐ろしいことに彼女は一人だ。 彼女の言動や考えに普段ならツッこむであろうゴールデンな彼は居らず、彼女は一人考えに暮れる。 先程藤の花を踏み潰した彼女の前に、次に現れたのは、今度は堂々と土にめり込んでいる鬼の足跡だった。 それは奥まで続いており、奥の方は藤の花のせいで上手く目視できない。 頼光は目を細めると、別の道を行こうとする。 しかし、この道は一本道であり仕方なく奥へ進んでいく。 奥に進んでいく事に感じるのは、藤の花の香りではなく強い錆の匂いだった。 頼光は刀に手をかけ進む。 陽の光さえ通さぬ藤の花にこの時ばかりは嫌気がさす。 おかげさまで、奥まで見えず、思うように偵察ができない。 「…うざったいですね。 」 自分がどこにいるか分からない以上、なんらかの情報は掴んでおきたい。 それを聞き出すのがたとえ鬼だとしても。 そんなことを思う頼光の後ろで、藤の花がゆらりと揺れる。 「っむん!!」 一閃。 刀は光をまとい、藤の花を切り落とす。 鬼がいたかと思い、藤の花を切り落とした頼光だったが、そこにいたのは鬼ではなかった。 「うわわ、びっくりした〜!」 まるで桜餅のような髪色をした少女が、尻もちをつきながら、驚いた表情で頼光を見つめていた。 肆 炎を纏った矢が、空を駆けていく。 その矢は、まさに鬼と形容することができる化け物に必中する。 苦しみもがく鬼の後ろからは長い刀が現れ、その刀は鬼の頸を斬ると、一瞬のうちに消えていった。 「ありがとうございます、紅閻魔先生。 」 「良いのでちよ、巴。 …それにしても、どうしてここ一帯はこんなにもなまくらの鬼がいるでちか。 」 巴御前と紅閻魔は、夜更けの中、自分達へと襲いかかる怪異へ制裁を行っていた。 「…マスターの夢、でしょうか。 私は先程までげぇむを行っていたはずなのですが…。 」 「巴。 また消灯時間が過ぎてもげぇむをしていたでちね?」 「あ、いえっ…、そういうわけでは…!」 「言い訳は無用でち。 」 ねちねちと説教を始める紅閻魔に、巴は正座をして話を聞く。 聞きたくないことが本音だが、それを紅閻魔の前で言えば、自分のこれからの末路がわかりきってしまう。 それだけは嫌だった。 説教が終わる頃には、既に朝日はのぼりかけで、森の中に光が差す。 「おや、いつの間にか日が。 マスターを探さなければならないでちね。 」 「そ、そうですね。 …し、しかし紅閻魔先生、巴は足が…。 」 まるで生まれたての小鹿のように足をプルプルと震わす巴に、紅閻魔は思わずため息が出そうになる。 「なんと素晴らしい力だ。 」 突如聞こえた第三者の声に二人は警戒を見せる。 見れば、森の木陰にて真っ黒な人型の影が浮かび上がっている。 それはどんどん人に姿を変え、やがて一人の鬼となる。 「…誰でしょうか。 即刻答えて下さい。 」 「…鬼なのに私を知らない…?ほう. 」 巴の言葉に、一人の鬼は眉を動かす。 紅閻魔は用心深く鬼を見る。 先程の鬼とは比べ物にならないほどの力を持つであろう鬼をじっと見つめる。 紅閻魔からすれば、この目の前にいる鬼も元が人間の半端な鬼と変わりはないのだが、それでもこの男は底が見えず、怪しい。 巴がいうところの、ラスボスってやつでちょうかね。 紅閻魔の視線にも気がついたのであろう、その鬼は笑みを浮かべる。 鬼の口は、ゆっくりと広がる。 「私の名は鬼舞辻無惨。 貴様ら、私の配下…十二鬼月と成らないか?」 「「結構です でち 」」 巴と紅閻魔はNOが言える日本人である。 伍 「うふ、うふふふふ。 …そう、教祖様…万世極楽教の教祖様。 …あぁ、ああ。 なんて堕としがいがあるのかしら…。 私、昂ってしまいますぅ…。 」 続かない。

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がい かく 鬼 滅 の 刃

『鬼滅の刃』公式ポータルサイトより 2019年4月にアニメ化されたことで、大ブームとなっている「週刊少年ジャンプ」(集英社)連載の人気漫画『鬼滅の刃』だが、突如、作者も寝耳に水のトラブルが発生した。 イスラム教に関わる音声の不適切な使用があったことが判明したため、テレビアニメ『鬼滅の刃』のブルーレイおよびDVD第4巻が出荷停止・回収となったのだ。 「問題となったのは19年10月に発売された同巻の特典CDの収録音源。 モスク(イスラム教礼拝所)で礼拝を呼びかける『アザーン』を音楽として使用したことが『神の法を犯した』『私たちの宗教に対する侮辱』などと、海外で批判される状況となっていました。 制作会社は、『当該箇所は市販の音声素材を使用して制作した』と法的問題はない旨を強調していますが、イスラム世界にこちらの世界の理屈は通じない。 15年に放送したアニメ『ノラガミ ARAGOTO』(TOKYO MX)でも、イスラム教に関する音声の不適切な使用があったとして、商品回収する騒動がありましたから、制作サイドはそれと同じ過ちを繰り返してしまったことになります」(アニメ誌編集者) ともあれ、原作では当該音源に関する場面はないため、作者もさぞかし困惑したことだろう。 こうした、原作にないシーンでのイスラム絡みのトラブルは過去にもあった。 有名なのが「ジョジョ事件」だ。 原作では『何も書かれていないただの本』だったのを現場スタッフが手を加えてしまった。 そのため、『コーランを読めば私たちの子どもも悪者になるという意味か』『イスラムのイメージを傷つける狙いだ』と批判が殺到。 『このアニメを放映したテレビ局を爆破しろ!』という過激なコメントも寄せられた結果、制作サイドは謝罪し、当該のアニメDVDと、原作の一部の出荷を停止することとなりました」(前出・編集者) 『鬼滅の刃』はいまや社会現象となっているだけに、知識不足や意識の低さによって、作者や作品ファンの足を引っ張ることがないようにしてもらいたい。

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